ROOM 21 牛嶋 直子 / NAOKO USHIJIMA
存在や出来事といったほんとうはただそこにあるだけのものが、人人人の伝達の連なりに よって屈折して交錯する。私自身もその屈折を生む要素体だから整理がつかないし、目がくらむ。 だから一瞬でもいいので時を止めてみたい。周辺にごろごろと転がるものを俯瞰して眺めてみたい。そんな気持ちで制作しました。
牛嶋 直子
このモチーフは白井屋ホテルに滞在する人をイメージしています。 さらに言うと21号室のトイレに座るあなたです。 正面の夜景は、壁に遮られて見えない前橋の夜景を可視化してみました。
牛嶋 直子
牛嶋直子は、1979年群馬県に生まれ、2006年女子美術大学芸術学部絵画学科日本画専攻を卒業、2008年に同大学大学院美術研究科日本画研究領域を修了した。2012年「第5回東山魁夷記念日経日本画大賞」「シェル美術賞2012」に入賞。近年の主な展覧会には、「カゼイロノハナ 未来への対話」(アーツ前橋、2015年)、「VOCA展2016 現代美術の展望−新しい平面の作家たち」(上野の森美術館、2016年)、「絵画のミカタ」(群馬県立近代美術館、2020年)などがある。繊細かつ柔らかな表情をみせつつも無光沢で均質な画面は、パネルに炭酸カルシウムで下地をつくり、紙やすりで平滑な面に仕上げたあと、顔料やアクリル絵具で描き込んだあとにエアブラシで仕上げるという独特の手法で制作されている。
Naoko Ushijima was born in Gunma Prefecture in 1979. She graduated from the Department of Fine Arts at Joshibi University of Art and Design with a concentration in Japanese Painting in 2006, and obtained her MA in Japanese Painting at the university’s Graduate School of Art and Design in 2008.
In 2012, she received the Higashiyama Kaii Nikkei Japanese Painting Award and the Shell Art Award 2012.
Her recent major exhibitions include The Flower with the Color of Wind: Dialogues for the Future (Arts Maebashi Gunma, 2015), VOCA Exhibition 2016: The Vision of Contemporary Art (Ueno Royal Museum Tokyo, 2016),and How to Look at Art (Museum of Modern Art, Gunma, 2020).
Her works, characterized by delicate, gentle expression within a matte, homogeneous context, are created using a unique method. After priming the panel with calcium carbonate and smoothing it with sandpaper, she paints the image using pigments and acrylic paints, and then adds the finishing touches with an airbrush.