四万湖(しまこ)レイクカヌーで、コバルトブルーの水面に溶け込む体験を

群馬県北部、吾妻郡にある四万湖(しまこ)。風情あふれる四万温泉近くの中之条ダムでできた人工湖の四万湖は、近年は「四万ブルー」と呼ばれることもある、幻想的でとろけるような青色が印象的な湖です。
『白井屋ホテル』では2021年の春より3種類のウェルネス・アクティビティ企画を用意し、その中のひとつとして、なかなかお目にかかれないこの特別な青色をぜひ実際に見ていただきたく四万湖でのカヌー体験をご用意しました。水面で過ごす時間の視界に広がるのは自然が生み出した鮮やかな色彩ばかり、青に溶けるようなスペシャルなカヌー体験をレポートします。

四万湖(しまこ)レイクカヌーで、コバルトブルーの水面に溶け込む体験を

自由度の高いプライベートツアーのはじまり

宿泊者限定のカヌーツアーは3種類。午前か午後、好きなタイミングで参加できる「半日ツアー」、朝霧のなか静寂の空気ごと味わう「早朝ツアー」、1日まるごとカスタマイズ。要望を叶えてくれる「プライベートツアー」から、自身の旅のスタイルに合わせてチョイス可能。今回はせっかくなので、プライベートツアーの流れをお届けします。どんな1日を過ごすことができるのかイメージが膨らんだら、今度は実際に自分の目で見て体験する番ですよ!

プライベートツアーのはじまりはピックアップから。『白井屋ホテル』から四万湖のある中之条町までは車で1時間半ほど。四万湖は公共交通機関でのアクセスが難しいため、現地での交通手段がない宿泊者の方も参加しやすいのが魅力です。
※「半日ツアー」と「早朝ツアー」は現地集合、現地解散です。

行程をカスタムできる自由度の高さがプライベートツアーの醍醐味ですが、この日は10時にホテルを出発しお昼前に四万温泉付近でランチ、カヌーを楽しんだ後に少し寄り道していくプランとなりました。出発時間や出発場所は調整可能なので、ご予定次第でプランは気軽にご相談ください。それでは早速中之条町へ!

群馬を味わうランチでお腹を満たしたら

四万温泉エリアに到着したら、まずはカヌーに向けて腹ごしらえから。さすが温泉街なだけあり、ランチの選択肢はたくさんあるので、ツアーの1日をつきっきりで案内してくれるガイドとどんな気分か相談しながら、行き先をチョイスしましょう。私たちがお邪魔したのは、2020年12月にオープンしたばかりの大規模「温泉 × ゲストハウス」、『スパゲストハウス ルルド』のカフェ&ダイニング『シマノネ』。

シェアキッチンやラウンジもあり、長期連泊も可能な『ルルド』。ワーケーションの拠点にもうってつけ。

四万のダムをイメージしたカレーや群馬のニジマス〈ギンヒカリ〉のプレートなど、ローカルに着想を得た味を楽しめる。

群馬県内の和洋中の人気店のメニューを味わうこともできる『シマノネ』は言わば群馬の食のセレクトショップのようなスタイルで、豊富なメニューに目移り必至です。人気のダムカレーは奥四万湖の四万川ダムをイメージしたカレーしたとのことで、ボリュームたっぷりのローストビーフがカレーを堰き止めます。身体が欲しがるものを食べれば、午後の湖上に向けて気分が高まります。

いざ!湖へ出る準備を

『FEELGOOD CANOE TOURS』(フィールグッドカヌーツアーズ)に到着。手ぶらで参加OKなプライベートツアーには、長靴やサンダルなどの足元アイテムのレンタルや保険料も含まれていますので、動きやすい格好であれば、あとの準備はおまかせして大丈夫です。とはいえ自然の中に身を委ねるアクティビティですので、自身が快適に過ごすために、帽子やタオル、日焼け止めやサングラスなどは必要に応じて準備しておくと安心です。

カヌーの案内人は、笹淵 圭治さん。カヌーガイド歴10年、水の上の魅力を知り尽くしたベテランです。スノーボーダーでもあり、温かい季節はカヌーを、寒い季節はスノーボードを乗りこなします。両方を楽しみ尽くせる群馬の自然環境に魅力を感じ移住、2021年にカヌーツアー事業を自ら立ち上げられました。

ここからはお待ちかねのカヌータイムということで、笹淵さんとともに四万湖へ徒歩で向かいましょう。えん堤を歩いていくのはダム湖ならではのルートで、すでに青い湖が眼前に広がっています。その景色に見惚れてしまう気持ちも分かりますが、この後自分があの景色の一部となるという、摩訶不思議な気分になること間違いありません。

カヌーに乗り込む前に、操作方法のレクチャーを受けます。基本は左右交互に漕ぎ、左に行きたければ左、右に行きたければ右を漕ぐというシンプルさなので、初めてでも問題ありません。

青と緑の世界へ。湖上の自由な時間

あとは習うより慣れろ、さっそく湖に漕ぎ出しましょう。右、左、右、左……しばらく漕ぐと、一掻きで思いの外進むことに気づくはず。余裕が出てきたら気になる場所に向かって自分で漕いでいけるようになるので、湖上での自由を手に入れたも同然です。

まったりとした神秘的な青色は、すぐ近くでも見ても変わることはありません。季節や天気、時間帯によって変化する自然のもたらすカラーパレットを存分に楽しみましょう。パンフレット等に掲載されている、四万湖を象徴するコバルトブルーは春頃に特によく見ることができるそうです。とはいえ、他の季節もエメラルドグリーンやトパーズブルーなど、そのタイミングならではの色彩を見せてくれるはずです。

プライベートツアーの料金にはカヌー中の写真撮影と撮影データも含まれており、ガイドの笹淵さんがとっておきのフォトスポットに案内してくれます。旅先での、自分たちが写っている写真って意外と少なかったりしませんか?スペシャルな思い出を持ち帰れるのも嬉しいですね。

コバルトブルーに見えるのは、湖水に含まれるコバルトイオン・銅イオンの影響だと言われています。一言で青と言っても、太陽のあたり方によって青の表情が変わるのも魅力。

四万湖は深いところで水深30mほどありますが、湖上をぐんぐん奥へと進むと水底が見えるくらいまで浅くなります。水の色が青から透明な緑へとニュアンスが変化し、景色が川のようになってきたら、カヌーでしか行けない広場に上陸。ここでひと休み、至福のコーヒータイムです。ここまで漕いできたからこそますます美味しい、とっておきのコーヒーを楽しみましょう。

旅先での屋外アクティビティで気になるのが天候ですが、カヌーのおすすめポイントは荒天時以外それぞれの天候ならではの楽しみ方ができること。また、時間が早朝〜日没までの間で調整できるのも予定に取り入れやすいポイントです。ガイドの笹淵さん曰く、実は雨の日のカヌーもおすすめなんだそう。靄がかかり、雨が水面におちる音に包まれながらのカヌーは、展望を楽しむスタイルとはまた違い、なんだか瞑想しているような気持ちになれるのだとか。

また、ほぼ貸し切り状態で楽しめるという早朝ツアーも圧倒的静寂を楽しむためにぜひ一度体験してほしいアクティビティ。しかし現地集合で午前6:30スタートのため、『白井屋ホテル』に宿泊してからの早朝ツアー参加はなかなかハード……四万温泉に前泊し早朝ツアーに参加、その日は『白井屋ホテル』に宿泊というプランはいかがでしょうか?群馬の魅力を様々な切り口で楽しめる2泊になること間違いありません。

カヌーは要望によって一人乗りもしくは二人乗りで。二人乗りはお互いの息を合わせることが大事!

新緑の季節は美しい藤が山々を彩ります。秋の紅葉も見応え抜群とのこと。

風情あふれる四万温泉街

プライベートツアーの湖上時間はおおよそ90〜120分ほど。のんびりアクティビティとはいえ、体を動かして、四万温泉近くまで来て温泉に入らずに帰るのはもったいない!温泉街の街歩きや温泉へもぜひ寄り道を。

ランチをいただいた『ルルド』で温泉にも入浴。四万温泉の中でも静かな「ゆずりは地区」の『ルルド』の湯は、奥四万ダムの近くから引く「湯の泉」と、麻耶姫伝説が残る麻耶の滝の麓から引く「山鳥の湯」の混合泉。

国民保養温泉地「第一号」に指定された温泉が湧く、5つの温泉地区を持つ四万温泉。上毛かるたにも「世のちり洗う四万温泉」と謳われており、さらっとした湯あたりは「美人の湯」とも言われています。草津や伊香保などの県内の有名温泉地とはまた違った、風情あるゆったりとした街並みが魅力です。

開湯1200年の歴史を持つ四万温泉。中心部は徒歩で気軽に回れるので、ぜひ昔ながらの温泉街の風景の散策を。

映画『千と千尋の神隠し』の湯屋のモデルのひとつとも言われている四万温泉 積善館(せきぜんかん)。日本最古の木造湯宿建築の旅館で、重厚な佇まいにしびれます。

共同浴場の河原の湯。なんと無料で温泉に入れる、地元の憩いの場。

42ヶ所の源泉がある四万温泉には、旅館の日帰り温泉から共同浴場までバラエティ豊かな選択肢が揃っています。お好みに合わせて気になる温泉に浸かり、カヌーの疲れを癒して心身ともにすっきり、帰路へつきましょう。

ただ眺めるだけではなく、体験することによって観光の満足度と旅先に対する解像度はぐっとあがるはず。カヌーはお子様(4歳以上)も参加可能で、プライベートツアーであれば持ち物や交通手段などを気にせずに参加できるため、多くの方々に水の上を漂う感覚や楽しさを体感してもらえればと思います。

北海道・美瑛の『青い池』や青森の『青池』、福島の『五色沼』など、神秘的な青色を見せてくれるスポットは国内にいくつかありますが、カヌー等でその青色の景色の中へ飛び込んでいける場所はそうそうありません。群馬の神秘スポット、四万湖でぜひアクティビティを
自身で体験してみてくださいね。

INFORMATION

 

【宿泊者限定】レイクカヌー プライベートツアー
所用時間:8時間程度 (湖上90分〜120分)
料金:1名様 ¥20,000
2名様 ¥30,000
3名様 ¥40,000
4名様 ¥50,000
定員4名様(お子様同料金)
※4歳から参加可能。
※料金にはプライベートガイド代、カヌー&備品レンタル代、移動費が含まれています。

LAKE CANOE|【公式】SHIROIYA HOTEL

 

立ち寄りスポット情報

ルルド カフェ&ダイニング『シマノネ』
住所 群馬県吾妻郡中之条町大字四万4138-1
営業時間 営業時間 11:30〜17:00(モーニングとディナーは予約制です)
定休日 無休

 

Text / Ayumi Yagi

Photo / Mikiko Zenitaka

新緑と雪、どちらも欲張りに。四季をまるごといただく谷川岳一ノ倉沢エコハイキング

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アート・デザインをたっぷり楽しめる『白井屋ホテル』ですが、せっかく群馬に泊まりで来ていただいているからには、自然の魅力もぜひ体験してほしい! そんな想いから、プロフェッショナルの力を借りて、2021年の春より3種類のウェルネス・アクティビティメニューをスタートしました。今回詳しいレポートをお届けするのは、四季の移ろいを自らの足で歩いて感じる「エコハイキング」。行き先となるみなかみエリアは自然と人間社会の共生を目的にとしたプロジェクト、ユネスコ エコパークに登録されています。群馬の自然の楽しみ方を知り尽くしたガイドとともに、この時期しか味わえない新緑と雪の共演を見に、谷川岳の麓へ足を運びました。